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糖尿病の治療法

糖尿病の治療法

糖尿病はインスリンの働きが悪くなることで血糖値の高い状態が慢性的に続く病気です。

はっきりした症状が出にくいことから発見が難しいため、血糖値の高い状態が長く続いてしまうことで血管や神経を痛め、全身に様々な合併症を引き起こします。

これらは糖尿病が元になっている合併症のため、寿命にも大きな影響を与えます。

糖尿病を治療するということは、体内の血糖値のバランスを整えコントロールするということです。

糖尿病には1型糖尿病と2型糖尿病の2種類があり、どちらの糖尿病かによっても効果的な治療方法に違いが出てくるため、まずは自分がどの型の糖尿病かを正しく診断してもらうことが重要です。

治療法の種類

糖尿病の治療法とひとことでいっても、その方法は糖尿病の種類や進行の度合いによって異なります。

糖尿病には突然発症して進行も早い1型糖尿病と、自覚症状がなく、体質の遺伝などが原因でゆっくりと進行し発症する2型糖尿病の2種類があります。

どちらの糖尿病でも共通するのは膵臓で分泌されるホルモンの一種インスリンが分泌されない、もしくは減少するという症状です。

インスリンが減少すると、血中、尿中にブドウ糖が増加し、血管や神経にダメージを与えてしまいます。

特に毛細血管のような細い血管から損傷していくため、視力や筋力、内臓の各所や脳への影響、さらには男性器への血流も悪くなり、ED(勃起不全)になる人も非常に多いとされています。

投薬治療

投薬治療

糖尿病の治療でもっとも重点を置くのは血糖値のコントロールです。

そのためには日々の食事と適度な運動が重要になりますが、これらだけで血糖値のコントロールができない場合、投薬治療を行います。

1型糖尿病の場合はインスリンを作り出す機能が壊れてしまっているため身体の外からインスリンを投薬します。
また、2型糖尿病の場合でも必要な場合は投薬治療を行うことがあります。

インスリンは作用時間によって5つの種類に分けられます。
超速効型、速効型、中間型、混合型、持効型溶解インスリン製剤に分かれ、超速効型に近いほど効果が早くあらわれ、持効型に近いほど長い作用時間をもちます。

使い方はお腹(腹壁)や太もも、二の腕など、指示された場所に自分で注射します。

通常は5mmの針、肥満体系の人は8mmの針を使い、打つ場所は毎回約2~3cmずつずらして打つ(ローテーション)ようにします。
インスリン注射を打つことでインスリンを補充できますが、体内で十分に作用させるにはインスリン抵抗改善薬や余分な糖を排出する経口血糖降下薬を服用します。

これらは糖尿病の病型や症状に合わせて医師と相談し選択します。

また、インスリン注射や経口血糖降下薬によって、逆に低血糖を引き起こす場合があります。

その場合はすぐにブドウ糖や砂糖、糖分を多く含んだジュースを摂取するか、血糖値を上昇させるホルモン(グルカゴン)があれば、1バイアル(mg)を注射して対処します。

さらに糖尿病三大合併症を併発している場合も治療薬を服用します。

糖尿病網膜症の人には出血を止める薬や血液の循環を良くする薬が用いられ、糖尿病神経障害の人には神経の障害に直接作用ししびれや痛みを取る薬や鎮痛剤、血行を良くする薬が使われます。

糖尿病性腎症の人には主に尿を排出しやすくする薬、血圧をあげる薬、腎臓で必要となるアミノ酸を補充する薬、体内のカリウムを下げる薬などが使われます。

運動・食事治療

運動・食事治療

運動療法と食事療法は同時に進行する必要があり、どちらが欠けても効果的な治療は難しくなります。

運動

適度な運動は血中のブドウ糖を筋肉に取り込みやすくします。
さらに減量や肥満防止にも効果的で、糖尿病だけでなくほかの多くの病気の原因であるストレス解消にも効果があります。

1日約15~30分の有酸素運動を2セット、週に3日以上行うことでインスリンの働きを高めるという効果があります。

体調次第では逆に糖尿病を悪化させたり、心臓の合併症がある場合、心筋梗塞を引き起こしてしまう可能性があるため、きちんとしたメニューや医師との相談が必要となる治療法です。

食事

食事は日々毎日行われ、そしてブドウ糖と直接関係するため特に重要といえます。

2型糖尿病の人は食事をコントロールすることによって体内へのブドウ糖の摂取量を制限し、弱っている膵臓の機能を回復させることも可能です。

1型糖尿病の人にとっても補充するインスリンの効果を高めるなどの影響があるため、充分に気を付ける必要があります。

基本的なルールとして、1日のカロリー摂取量をコントロールすること。と同時にビタミン、ミネラル、タンパク質といった栄養素をバランスよく摂ることが求められます。

症状や年齢、性別、生活スタイルによって、必要摂取量は変わるため、なにをどのくらい食べればいいのかわからないといった人のために、食品交換表というものがあります。

6種類の栄養素を含んだ食材が分けて表記されていて、照らし合わせることで医師に指示されたメニューに必要なカロリーや栄養素をわかりやすく、バランスよく摂取することことができ、きちんとした食事療法を行うことができます。

透析治療

透析治療

糖尿病3大合併症の1つである糖尿病腎症は、血糖値の上昇によって腎臓の血管が損傷して機能しなくなり、末期には慢性腎不全といわれる状態になります。

腎臓の機能は一度失われると回復が難しいため、完治の見込みはむずかしいとされています。

腎臓の働きのひとつである血液のろ過ができなくなることで、血液の中にアルブミンというたんぱく質が漏れ出してしまい、進行すると体内に尿毒素や余分な水分が蓄積し、尿毒症を引き起こします。

そのため、治療には血液をきれいにする透析療法を行います。

透析治療には血液透析腹膜透析の2種類の方法があります。

血液透析は1ヵ月約40万円、腹膜透析は1ヵ月約30~50万円かかりますが、特定の手続きをすることで高額医療費の特例として自己負担の上限を1ヵ月1万円にすることもできます(一定以上の所得者は2万円が上限となります)。

血液透析

血液透析は医療機関に行って行う必要があり、機械の中を通して血液をろ過し、再び体内に戻すという方法です。

日本の人工透析はほとんどがこの方法で、週に数回病院に行く必要があります。

1度の血液透析で血液の中に溜まった2~3日分の水分や毒素を一気に取り除くことができます。

1分間に約200mlの血液循環を行うため身体への負担は決して少ないとはいえません。

また長年、血液透析をすることで、血管が更に損傷したり血栓ができてしまい治療が困難になってしまうといった場合もあります。

腹膜透析

在宅で行える腹膜透析は内臓を覆っている腹膜を透析膜として使う方法です。

残腎機能を維持するのに適しており、身体への負担が少ないといった点が特徴です。

1日数度、お腹に通したカテーテルという管を通して透析液を貯め毒素を排出します。

ただし腹膜透析は実施できる人とできない人がいるという点と、家族や介助者の協力が必要となる方法でもあります。

非常時に備える

非常時に備える

糖尿病は日々の生活における治療への意識を維持・継続させることが重要で、血糖値のコントロールができなくなるといきなり重症化してしまう危険があります。

生きてくうえで人には必ず体調の波があります。
当然、糖尿病患者も風邪やその他の突発的な病気、体調不良などが原因で食事ができなくなっってしまうことがあります。

このような日のことをシックデイといいます。

糖尿病患者はウイルスに対する抵抗力が弱まる傾向にあるため、様々な感染症にかかる可能性が高く、熱、嘔吐、食欲不振、下痢といった症状に悩まされることがあります。

こういった症状がでると体内の血糖コントロールがむずかしくなり、高血糖に陥ってしまったり、逆に食欲がないことで低血糖になってしまうことがあるので血糖値をしっかりと測定し把握しておくことが大切です。

こういった事態に備え、シックデイルールというものがあります。

・安静にする
・身体の保温
・自己判断でインスリンを中断しない
・うどんやおかゆなどの炭水化物、充分な水分の摂取
・飲み薬の用量調整
・まめな血糖測定

などといった基本的な対応とともに、できるだけ早く適切な対応方法を医師に相談します。

また日本は地震大国でいつ大きな災害に巻き込まれるか、ということを意識して生活する必要があります。

まずはすぐに持ち出せる必要な道具と食料を準備します。

ほかに血糖値測定具、インスリン注射針、アルコール綿、といった道具類、低血糖の際に必要なブドウ糖、1日3リットルの水は1週間分はまとめておくようにしてください。

災害食は高栄養価のものが多いため、糖質の多い食事にならないように缶詰やレトルトなども最低3日~1週間分は用意しておきます。

人工透析の患者は必要な薬の情報を記した透析患者カードを持ち、普段飲む薬を確実に続けられるよう、持ち出しセットを作っておくことが重要です。

基本的な行動はシックデイルールを適用すると良いでしょう。

透析が受けられない日が1週間~10日ほどある場合は命にかかわる危険があるため、詳しくは全国腎臓病協議会のサイトをチェックしておくようにしましょう。

参考サイト:
全国腎臓病協議会:災害時について

血糖値について

血糖値について

糖尿病を判断する重要な要素となるのが血糖値です。

血糖値は食事など生活の影響を大きく受けて目まぐるしく変動します。

まずは空腹時血糖といって、空腹時の正常な血糖値ですが、約70~110mg/dl未満であれば良いとされ、130mg/dl未満も可と評価できます。

ただし、患者の個人差によっても正常値というものは変化します。

肥満型の人は空腹時血糖値が110mg/dl未満であっても糖尿病の発症傾向は高いという報告があるなど、数値はあくまで参考として把握し、過信しないことが大切です。

血糖値の異常は糖尿病に直結するほか、肝炎や肝硬変を引き起こしたり、血糖値の上昇でインスリンが大量に分泌され「高インスリン血症」を発症、また尿酸値が上昇することで痛風を発症するといった可能性まであります。

ほかに、糖尿病の初期段階などの場合、空腹時は血糖値が正常でも食後に高血糖になることがよくあります。

血糖値の測定は空腹時に行われることが多いため、こうした症状は見落としがちになることが多いため油断しないようにしましょう。

糖尿病の予防方法

糖尿病の予防方法

糖尿病は完治が難しく、さらに合併症を併発してしまうと多くの制限ができたり人工透析が必要など生活においてたくさんの不自由をしいられることになります。

そうならないためにも糖尿病はまずは何より予防することが重要です。

予防に必要な食生活と運動の管理は、糖尿病に限らず人の健康寿命をのばすため非常に重要な要素です。

そういった生活習慣の改善は糖尿病だけでなく、加齢による各機能の低下や認知症リスク、肥満やそれに伴う生活習慣病、循環器の病気やがんといった様々な病気へのリスクを軽減することができます。

食事

糖尿病の予防はもちろん、治療においても食事療法は重要です。

食事は血糖値の上昇に最も直結したもので、適正なエネルギー量、バランス、規則正しい食事時間を守るといったことが必要となります。

急激な血糖値の上昇を避けるには、ゆっくりよく噛んで食べることや、空腹から一気に食事を食べない。といったことにも気をつける必要があります。

また、ずっと同じような食生活を続けていたとしても、40代を越えたあたりからはエネルギーの基礎代謝が落ちていくため太りやすくなってしまいます。
肥満も糖尿病を発症する原因となりやすいため注意が必要です。

まず1日のエネルギーの摂取量は男性だと「約1600~2000kcal」、女性で「約1400~1800kcal」を目安とします。

食後はどうしても血糖値が急激に上昇てしまうため、上昇しにくい食事方法として、炭水化物や肉の前に、まずは野菜から摂取する「ベジタブルファースト」があります。

そうすることで他の食品の消化が緩やかになり、血糖値の急激な上昇を抑えることが可能です。

また間食をしてしまうと膵臓がインスリンを分泌し、余計な負担がかかることがあるため、食事と食事の間は十分な時間を空け血糖値を元の値に戻すということが大切です。

生活習慣

日常生活では飲酒喫煙が糖尿病リスクに直接的な影響を与えます。

タバコは交感神経を刺激することで血糖値を上昇させるほか、インスリンの働きを弱める作用が確認されていて、タバコを吸う人は吸わない人と比べると、2型糖尿病にかかるリスクが1.4倍になるとの報告もあります。

ただし禁煙が引き金となる体重増加もまた血糖値の上昇には大きな影響があります。

飲酒に関しては適度な量の場合、糖尿病の発病を抑制すると推定調査報告もありますが、大量の飲酒は血糖コントロールに悪影響を与えます。

さらに飲酒による肝臓系の疾患が起こった場合、糖尿病は通常よりもはるかにコントロールしにくい病気となってしまうため注意が必要です。

また、糖尿病でない人がアルコール性の肝炎を繰り返した場合、膵臓のベータ細胞が破壊されてしまい、糖尿病を引き起こしてしまうことがあるため適度な飲酒を心がけるようにしましょう。

生活習慣で血糖値をコントロールするには運動も必要不可欠です。

短時間に負荷をかける筋トレのような運動は逆に血糖値を上げてしまうことがあるためNGです。

十分な準備運動をしてからウォーキングや水泳といった有酸素運動をおこないます。

運動量の目安はウォーキングで1回15~30分を1日2回、普段の歩行と合わせ1日8000~1万歩程度を週3回が目安です。
食後に高血糖になりがちの人は食後1~2時間の時間帯で運動すると効果的です。

「エレベーター、エスカレーターを使わない」「目的地のひとつ前の駅から降りて歩く」など、日頃から運動を取り入れることを意識することが重要です。

ほかにも暴飲暴食をしない、ストレスをためこまない、定期的な検査を受けるなど、無理のない自己管理を継続することがなによりの予防となります。

EDによる糖尿病の早期発見

EDによる糖尿病の早期発見

糖尿病の予防、または早期発見に対する1つの指針となるのがED(勃起不全)です。

糖尿病のある男性の約20~75%がEDを経験するといわれるほど、糖尿病とEDには密接な関係があります。

糖尿病を発症した場合、まず細小血管からダメージがはじまるため、手足の先と同じように、男性器の海綿体を構成する毛細血管にもダメージが及びます。

また、男性器周辺の神経にも障害が起こるため、神経繊維と脳の伝達に影響し、性的反応を鈍くします。

このように血管と神経、両方のの影響によりED(勃起不全)を発症します。

ただし、EDになる原因は色々あるため、EDになったからといって糖尿病を発症しているとは限りません。

ですが、ひとつの指針となることには間違いないため、気になった場合はすぐに病院に行き、医師の診察を受けるようにしましょう。

糖尿病が原因となるEDの場合は、血糖値をコントロールすることで治療できる可能性があり、血糖値が正常でもEDが起こるといった場合にはED治療薬を服用することで治療することが可能です。

参考サイト:
WEB版 家庭の医学書 糖尿病

更新日:2018/10/9

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